ポルシェ・カイエン S と、911 カブリオレ。 ヨメと家族とポルシェたちに囲まれ、仕事に精出すサラリーマンの ぬる湯 顛末記。
Posted by フラン - 2009.01.13,Tue
しばらく取り上げていなかったこともあり、久方ぶりに原油価格の動向です。
12月に入り、各所のガソリン・スタンドのガソリン価格が目に見えて下がり始め、関東の
ただ下げ足が速過ぎるようで、行きつけのガス・スタンドのお兄さんは、「仕入れ価格よりも
販売価格の下げが早く、経営は大変 」 と嘆いていらっしゃいます。
言われてみれば関東近郊の一般道を少し走ってみると、閉店したスタンドがあちこちに
見受けられます。 価格が上がるときも下がるときも極端な動きをするので、ガス・スタンドの
経営は本当に大変なのではないでしょうか。
それでは昨年一年の原油先物 ( WTI ) 価格推移を振り返ってみると、下記のとおり。
チャートはニューヨーク商業取引所 (NYMEX) における、2月限 原油先物価格 (WTI) の推移です。
昨年春から右上がりで上昇を続けた原油価格先物は、 7月 11日、1バレル (約 159 リットル)
148.17ドルの最高値を付けたあと急反落。 その後 9月 15日、リーマン・ブラザースの破綻を
きっかけに本格的な金融不安が広がり、原油価格の下落に拍車。 10月初旬には 1バレル
80ドルの大台をも割り込んでしまいました。
その後上げる場面もなく年末まで下げの勢いは停まらず。 12月 24日にはなんと
35.13ドルという昨年の最安値を記録。 7月の高値から ▲ 76.3 % の大幅下落を演じて
してしまいました。
この過程において、下げの要因となったのが、商品ファンドやヘッジファンド、また個人を含む
投機的な資金の利益確定売りが続いたこともありますが、そこにはもう一つの面白い売り手が
見え隠れしていたようです。
ちょっと古い話で恐縮です。 その売り手とはメキシコ政府。 メキシコは世界台 6位の
産油国なのですが、同国の財政収支における原油売上代金が歳入の 約 40 % を占める
こともあり、メキシコ政府自らが昨年 7月以降、原油下落に対してヘッジを実施。 2009年
産出予定の 3億 3,000万バレルに及ぶ原油を 1バレル 70ドルのプット・オプション
( 70ドルで売る権利) を買い、 今年 1月~12月までの石油販売代金を固めてしまいました。
(一部デルタ・ヘッジもしているとのこと)
これは実質原油先物を売る行為とほぼ同じであるものの、今年原油価格が 70ドルを超えた
場合、70ドルでしか売ることが出来ません。 ただその水準を大きく下回った現在の
原油価格、メキシコ政府のしてやったりの顔が浮かんでくるようです。 このように産油国自らが
売りヘッジで原油先物市場の売り手となっていたことが昨年 11月に発表され、市場は
もう一段の売りに拍車がかかりました。 産油国自らが原油価格を押し下げる行為に
出ていたなんて、誰も想像しませんよね。 そりゃ他の投資家が慌てて売りに回るのは、
経済の原則であることに間違いはないでしょう。
さらに昨年11月および12月、急速に悪化していく米国景気を背景に次々と発表される
同国主要経済指標は、いずれも何年振りという悪化した数値の数々。 これと平行しドル安が
一気に進んだこともあり、12月 24日に原油先物価格は 昨年一年間の最安値である
1バレル 35.13ドルまで売り込まれてしまいました。
* NYMEX 2月限、WTI原油先物価格 過去 1年間 の日足グラフ
( 2008年 1月 2日 ~ 2009年 1月 13日 時間外取引 )
* NYMEX 2月限、WTI原油先物価格 過去 1年間 の日足グラフ
( 2008年 1月 2日 ~ 2009年 1月 13日 時間外取引 )
( 引用 : Bloomberg 社 )
ただ今年に入り、イスラエル/パレスチナの紛争が激化。 中東諸国に緊張感が走ったため
原油価格は反発。 その後 1月 6日には 50.47ドルと 1ヵ月半振りの 50ドルの大台を
ブレークして買い込まれましたが、先週金曜日発表になった 12月の米国失業率が + 7.2 % と
約 15年振りの大幅悪化。 さらに非農業部門雇用者数の ▲ 52.4万人減で、景気後退が
本格化し始めたことを市場は再確認。 さらにボーイング社 4,500人の人員削減など、
大手企業の経営も急速にスランプが目立ち始めたことで、石油需要の先細りが推測され、
原油価格は再び下落トレンドを形成。 昨日 1月 12日の終値は 1バレル 37.59ドルまで
( 引用 : Bloomberg 社 )
昨年強気見通しで話題となっていた ゴールドマン・サックス社の原油価格の直近見通し
( 1月 12日レポート ) では、 世界的な景気後退と在庫増で今年第 1四半期の原油価格は
1バレル 30ドルに低下と予測。 ただOPEC諸国の減産などが効果を上げ、今年末には
1バレル65ドルへと上昇するであろうと見込んでいるようです。
一方ニューヨーク商業取引所 (NYMEX) における原油価格先物では、ちょっと気になる
価格が形成されています。 原油先物の取引期日は 2017年の 8年先まで上場されて
いますが、昨日 1月 12日の各期日、1バレルあたりの原油先物価格各終値は、
* NYMEX WTI原油先物価格、各年限取引 終値 ( 2009年 1月 12日現在 )
2009年 | 2009年 以降 | 2009年 以降 | |||
2月限 | 37.59 ドル | 2010年 12月限 | 64.63 ドル | 2014年 12月限 | 74.37 ドル |
3月限 | 43.65 ドル | 2011年 12月限 | 68.24 ドル | 2015年 12月限 | 75.92 ドル |
6月限 | 50.91 ドル | 2012年 12月限 | 70.63 ドル | 2016年 12月限 | 77.23 ドル |
9月限 | 54.44 ドル | 2013年 12月限 | 72.76 ドル | 2017年 12月限 | 78.33 ドル |
12月限 | 57.17 ドル |
期近物である 2009年 2月限の取引価格が 37.59ドルと、期先物である将来の各年限の
取引価格を極端に下回っています。 これは現在の世界の経済環境が最悪期で、石油
消費が低迷し、在庫が増えると見られていることが大きな要因になっているようです。
ただ今年後半から景気回復が始まるか、あるいは OPEC諸国などの減産が継続されると
仮定した場合、その効果が現れ将来的に原油価格は上昇すると原油先物価格は物語って
いるのではないでしょうか。
石油情報センターが 1月 7日に発表した、1月 5日現在の全国のレギュラー・ガソリン価格の
過去を調べてみると、この 1リットル 106.80円近辺のレギュラー・ガソリン価格であったのが
1996年 (平成 8年) 5月という、実に 13年振りの低い価格となっています。
1 リットル 2ケタ台が視野に入ってきたガソリン価格。 しかしながらここまで下落しているのにも
かかわらず、週末の高速道は結構空いていますね。 経済環境の悪化で、全体的に省エネ
意識が定着したままなのでしょうか。
近々高速料金が何キロ走っても 1,000円に改定される予定です。 またどっと車が増える
かも知れませんが、少しくらい渋滞しても、賑やかなほうが良いのかもしれませんネ。
かも知れませんが、少しくらい渋滞しても、賑やかなほうが良いのかもしれませんネ。
私の場合は幸いなことに、カイエン S に搭載されているほとんど空のガソリン・タンクの状態から、
2度の給油をしなければならない (給油価格が 5桁を超えることは、法律で禁止されているとのこと)
煩雑さも、まもなく解消されそうです。
煩雑さも、まもなく解消されそうです。
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Comments
おじゃまいたしまーす。
本当に安く感じられる値段になりました。
高いのか安いのかは、比較でしかないですが、
これだけ一気に下がると、さすがにお得感がありますね。
しかし収入も減るということであれば、
「ガソリン代2倍でもいいから給料も2倍にしてぇぇ」
と訴えたくなる自分勝手な昨今であります。
まあ、給料、自分で決めてるんですが。(^^;
高速料金が安くなったら、車もまた売れるでしょうか。
いやはや、厳しいことです。
高いのか安いのかは、比較でしかないですが、
これだけ一気に下がると、さすがにお得感がありますね。
しかし収入も減るということであれば、
「ガソリン代2倍でもいいから給料も2倍にしてぇぇ」
と訴えたくなる自分勝手な昨今であります。
まあ、給料、自分で決めてるんですが。(^^;
高速料金が安くなったら、車もまた売れるでしょうか。
いやはや、厳しいことです。
こんにちは
ちんはらさん、こんばんわ。
先週末カイエンを引っぱり出し、ちょっとした用事で一般道をうろうろ。
ふと気がついたら燃料計が半分以下になっており、ガソリン・スタンドへ。
「満タンでお願いします」と言った瞬間、頭をよぎったのは、「また諭吉様が....」でした。
ところがそこそこの英世様が帰ってこられ、驚きのひと時を満喫。 本当に安くなりましたね。
自分で決めることができる給与、羨ましいです。
我が家は財務省主計局、女性次官が全てを決めてくれるのですが、
私が常に補正予算を要求するため、国家は赤字国債の増発で大変です。
決死の覚悟で定額給付金、10倍要求しちゃおうかな。 何故か渡辺議員が素敵と思える、今日この頃です (^^;
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