ポルシェ・カイエン S と、911 カブリオレ。 ヨメと家族とポルシェたちに囲まれ、仕事に精出すサラリーマンの ぬる湯 顛末記。
Posted by フラン - 2007.11.19,Mon
今日は少しだけ堅い話を。
最近フランクフルト証券取引所に上場しているポルシェ社の株価が急落に近い展開となっています。
ちょうど約一年前の 2006年 11月 28日に一株835ユーロ (約 13万 5,300円 ) の安値であった
ポルシェ社株価は、新型カイエンを筆頭に各モデルの好調な受注を反映し、じりじり上昇。
平行して今年 5月にフォルクス・ワーゲン社の保有比率を 27.3 % から 31 % に引き上げるために
VW社の株式の公開買い付けを実施したことも、ポルシェ社の株式上昇の大きな要因となりました。
VW社の株式の公開買い付けを実施したことも、ポルシェ社の株式上昇の大きな要因となりました。
その後今年 11月 01日には1,868.50ユーロ (約 30万 2,900円 ) と、わずか一年で倍以上の上昇。
ところがこの高値を最後に、昨日まで急落の動き。 11月16日 (金) 現在、1,463.00 ユーロとわずか
半月で 21.7 % の急落。 また金曜日一日だけで78.96ユーロ (約 12,800円 )、マイナス 5.5 % も
落とすという、暴落に近い下げを演じています。
これは米国サブ・プライム問題 (低所得者に対する住宅ローン貸し出し乱発による返済不履行など) で
信用不安が増し、世界の株価が全面安の局面に陥ったことにポルシェ株も連れ安となっていることも
その理由に挙げられますが、そのほかにいくつかの要因があるようです。
これは米国サブ・プライム問題 (低所得者に対する住宅ローン貸し出し乱発による返済不履行など) で
信用不安が増し、世界の株価が全面安の局面に陥ったことにポルシェ株も連れ安となっていることも
その理由に挙げられますが、そのほかにいくつかの要因があるようです。
* 米国景気の鈍化傾向
ここ数年来好調な成長が続いていた米国経済も、サブ・プライム問題が長引き今後横ばいないし
後退局面が予測され始めています。 急成長を続けていた米国内土地価格も下落トレンドに
差し掛かっており、米国住宅産業は 1929年の大恐慌以来のスランプに差し掛かっていると
言われています。 さらに貸出市場の混乱で、世界の金融機関全体で 2兆ドルの貸し出し
縮小が出ると見られており、景気の後退に拍車がかかることになります。
そう、日本のバブル経済期終焉時に類似した環境になりつつあり、米国内で高級商品の
売れ行きが落ちるとの予測が増え始め、ポルシェ社もその標的になりつつあること。
ちなみにポルシェ社は全生産車の約 4割を米国に輸出。 一年の利益の 3割強を米国市場で
稼ぎ出しています。
* 米国金融機関の大幅損失によるボーナス減
既に新聞で報じられているように、サブ・プライムを担保にした金融商品の市場崩壊で、米国
金融機関や世界の大手金融機関は多額の損失を計上中。 毎年 12月に超巨額のボーナスを
ゲットしていた兵国金融機関の各従業員も今年は勤務する会社の損失が大きく、今年はその
支給が期待薄。 これも高級輸入車の輸入減に直結してくる可能性が大きいと思われます。
* フォルクス・ワーゲン買収問題
現在ポルシェ社は兄弟会社であるフォルクス・ワーゲン社の発行済み株式の 31 % を保有
していますが、VW社買収防止法案が欧州委員会から違憲の判決が出たことでポルシェ社は
VW社の買収防止のためにドイツ・ニーダーザクセン州政府が保有している VW社の株式を
買い取り、保有比率を 50 % にまで引き上げることを計画。
ただVW社労組などの反対やドイツ国内の法律改正が整っていないためまだ実行に移されて
いませんが、仮に実施となった場合 今度はその買収にはるかに巨額の資金が必要になり、
ポルシェ社の利益を圧迫する可能性を株式市場が先取りしたこと。
* 新車開発費 負担の問題
現在進行中の4ドア・セダン、パナメーラとカイエン・ハイブリッドの開発費が大きくのしかかり、
ポルシェ社の利益の食いつぶし要因として負荷を与えているようです。 同社は今月 12日に
今会計年度の決算を発表 ( 除、VW社 ) しましたが、各モデルの販売台数は昨年同等か
微増にあるにもかかわらず、昨年度の経常利益 12億ユーロを下回る10億ユーロ
(約 1,620億円 ) に留まり、上記 2車種の開発費が巨額に膨らんでいるのではと見る
アナリストも少なくないようです。
などの要因がポルシェ社株価急落の要因となっているようです。 いずれにせよ米国市場に大きく
その企業活動を依存するポルシェ社にとって、暫く苦戦が続くかもしれません。
また世界のどこにおいても、一企業の株価は将来の景気の波と企業の成長を如実に反映するものですね。
売れる車が少なく、ポルシェ社は 1993年に 3億マルクの赤字に陥り経営危機説が流れました。
それを救ったのが 3年後にリリースされたボクスター。 ベスト・セラーとなり、同社建て直しに
大きく貢献。
また元トヨタ社員をスカウトし、「カイゼン」を導入。 ボクスターとトヨタ方式がポルシェ社を立ち
直らせたことをご存知の方も多いと思います。 その後カイエンのヒットで企業としての体力を
蓄積してきたことで、このまま同社が再び危機に陥ることは考えられませんが、少し逆風が
強くなってきたようです。
もっともこのような現象はドライブをする上において全く支障がなく、オーナーにとってもそんなに
また元トヨタ社員をスカウトし、「カイゼン」を導入。 ボクスターとトヨタ方式がポルシェ社を立ち
直らせたことをご存知の方も多いと思います。 その後カイエンのヒットで企業としての体力を
蓄積してきたことで、このまま同社が再び危機に陥ることは考えられませんが、少し逆風が
強くなってきたようです。
もっともこのような現象はドライブをする上において全く支障がなく、オーナーにとってもそんなに
重要な出来事ではないですものね。 同じ上昇でも、スタンドに行くごとに毎回変わるガソリン
価格の値上げが、非常に気になる今日この頃です。
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