もうご承知の方も多いかとは思いますが、フォード社は米国で最大(ということは、世界最大か ?) の
SUVであるエクスカージョン を今年 9月に生産打ち切り、来年からはカタログなどのブランド・
ライン・アップからはずすことを決定したと、昨年 12月の Automotive News社が報じています。
またリンカーン・アビエーターも今年 7月で生産終了予定。 新たに 2006年から乗用車ベースの
ネーム・プレートで復活する予定との計画が、内部アナウンスであったとのことです。
リンカーン・アビエーターは、右ハンドルエクスプローラーやマウンテニアと共にあのセントルイス・
ハーゼルウッド工場で作られていますが、今月から 従業員の2交代制を 1交代に縮小したことも、
少なからずアビエーターの製造中止に向けた準備のようです。
フォード社からはまだ公式なアナウンスが出ていないようですが、マーケットではエクスカージョンと
アビエーターの生産終了に関して予測できたことと、冷静に受け止めているとのこと。 特に
エクスカージョンは、2004年モデル以降、「大飯食らい」との攻撃を環境保護団体からしばしば
受けていることも製造中止の大きな要因となっている様子。 ただフォード社は 2005年モデルの
生産は、今年のモデル・チェンジ時期である 9月くらいまで続けるようです。
エクスカージョン終了に続くものとして、その製造設備は F-250 350のスーパー・デューティ・モデル・
トラック組み立てに変更されると言われています。 都合良く、ケンタッキー州 ルイスビル工場内に
エスカージョンと大型トラックのアッセンブリーが同一場所に備え付けられていることも、変更が
容易に出来るメリットがあるようです。
またフォード社は、2007年モデルから、エクスペディションのバージョン拡大を計画。
エクスカージョン・ファンをエクスペディションへのブランド移行に持ち込む予定とのこと。 同社は
今年 15277台のエスカージョン製造を計画しているそうです。 さらにリンカーン・アビエーターに
関しては、今年一端生産を中止したのち、新たなブランドおよび乗用車仕立てとして 2006年から
復活する予定で、恐らくカナダ・オンタリオ州 オークビル工場にある、マツダ6製造のプラットホームを
使い、作られるようです。
リンカーン・アビエーターは 2002年下期から生産が開始され、プラットフォームが同じことから
ジャイアント・エクスプローラーと呼ばれたものの、その販売台数は常に同社のターゲットに届かず
低迷。 内部関係者によると今年の同社のアビエーター販売目標は、12,582台だそうです。
* リンカーン・アビエーター
* およびマツダ6
↑ えらい、素敵なデザイン。 素晴らしい...。
生産中止の見通しで、こらえ切れず涙を流す寸前のようなカバちゃんの顔に見えてしまうフォトも、
あと暫くで消えてしまいます。 オーランドではお世話になりました。
カバちゃん、長い間お疲れ様....。
↑ 現行の「マウンテニア」
さて来週 9日 (一般は 11日から) からシカゴ・オート・ショーの開幕ということらしいのですが
(もちろん行ける訳なし) 、その中で「ちょっとだけ」注目されているのがエクスプローラーの兄弟分で
ある2005-06年モデルのマーキュリー・マウンテニアがお披露目されるということです。
いずれ発表になる 2006年モデルの Ex とほぼ同仕様となると思われ、先取りできる可能性が大
とのこと。 とりあえず漏れているニュースとして、原モデルと同一フレーム、外回りが新しくなり、
インテリアも再デザイン。 V-8エンジンを搭載、6速シフト、その他新しい技術が採用されるとの
ことですが、その大部分は既に他のフォード社に搭載済みのものばかり。
たとえば V-8エンジンは既に 2003年モデルのF-150に、6速はリンカーン・ナビゲーターに搭載
されています。 要は外観とインテリアだけの変更といっても過言ではありませんが、このオート・
ショーで初お披露目となるためまだ写真も出回っておらず。 とりあえずの衣替えでも注目して
みましょう。 ただフル・モデル・チェンジは 2010年まではないとの観測です。
これはシカゴ・オート・ショーの Web です。 トップ・ページだけですが日本語案内もありますので、
お時間のある方は覗いてみてください。
このページにあるショー・フロアを見てみようとクリックしたところ、「Explorer Van」のボタンがあり、
「Exにバンなんていうのがあったかな ?」 と思ってクリックしてみたところ、とんでもないものが
出てきました。「なんじゃ これ ?」ってなもので、今日まで知らんかった…。
あとはお楽しみです。 ショー・フロアのページ は、このページ一番下の左に「Explorer Vans」の
ボタンがあります。50へぇ~くらい獲得できるかも…。
うぁ~、F-150が売れていな~い。
昨日今年 1月の米国自動車販売が
公表されました。
資料によると 1月は全米全体で 年間
ベース 1630万台の販売となりましたが、
昨年 12月から比べると極めて不振。
(12月の年間販売実績は 1,840万台、
2001年 10月の 2180万台に次ぐ販売
台数となった (GM社が5年間に渡る
自動車ローン 0 % 金利適用をしたため
大きく伸びたことが主要因)ものの、
米国内主要メーカー(含、日本メーカー)の
販売台数は悲惨な結果とました。
フォード社だけで見ると、1月は乗用車
部門が伸びるも、トラック部門が足を
引っ張り、なんと全体で▲12.0 %の減少
(自動車部門 ▲ 2.9 %、
トラック部門 ▲ 17.0 %) でした。 個別で見るとニューモデルが出たマスタングは前年同月比
+ 33 % も販売が伸びたものの、受注に生産が追いつかず、12月比ではわずか3.8 % の伸びに
留まりました。
反面トラック部門はキャ~っ、! あきまへん。
特に F-150シリーズは前月比 ▲ 20 % と急落。 気になるエクスプローラーはもっとひどく、前月比
▲ 41 % もの大幅落ち込みを記録しています。 頑張ってよね~。
トラック部門で唯一販売が伸びたのが、ハイ・ブリッド仕様が販売になったエスケープ。 前月比
16.8 % の大きな伸びを示し、ここにもガソリン価格の急騰で苦悩する米国内個人家計のやりくりが
示されているようです。
ちなみにフォード社販売の米国内平均車両価格とローンの値引き金額は、4,962ドル (12月、
4,872ドル) と、50万円以上。 これ新車の値引きでっせ~。
下記は気になる主要各車両 (徐、一部乗用車)の 1月販売台数です。(がっかりしないで下さいね)
カッコ内は昨年 12月の販売実績です。
* マスタング 10,285台 ( 9,906台) + 3.8 %
* あのGT 7台 ( 0台) n.a.
* エスケープ 12,868台 (11,015台) + 16.8 %
* エクスプローラー 15,478台 (26,253台) - 41.0 %
* エクスペディション 7,577台 (11,530台) - 34.3 %
* エクスカージョン 871台 ( 1,552台) - 43.9 %
* F-シリーズ 49,319台 (61,979台) - 20.4 %
* ヘビー・トラック 911台 ( 839台) + 8.6 %
* マウンテニア 2,615台 ( 3,631台) - 28.0 %
* マリナー 2,360台 ( n.a. )
* ナビゲーター 2,012台 ( 2,407台) - 16.4 %
* アビエーター 1,293台 ( 1,695台) - 23.7 %
* フォード・グループ 201,542台 (230,036台) - 12.4 %
* 乗用車部門 69,943台 ( 72,066台) - 2.9 %
* トラック部門 131,599台 (157,970台) - 16.7 %
来月頑張ってや~。
2005年 1月 9日、デトロイトで開催されている北米国際自動車ショー記者専用閲覧会で、
2005年のカー・オブ・ザ・イヤーにクライスラー「300 / 300C」、北米トラック・オブ・ザ・イヤーに
エクスプローラーの兄弟車 ?? であるフォード「エスケープ・ハイブリッド」を選出しました。
この選出には米国およびカナダのモーター・ジャーナリスト 48名が参加。 今回の 特色として
昨年のトヨタ・プリウスに続き、2年連続省エネルギー車が勝ったことです。
米国では昨年のガソリン価格の急騰がじわりと家計を圧迫し始めており、車をゲタ 代わりに使う
一般家庭はガソリンあるいはジーゼル車から、ハイブリッド車への 乗り換えが今後かなりの勢いで
増えてくると予測されています。
北米カー・オブ・ザ・イヤーは 1994年から始まっており、新聞、雑誌、テレビ 解説者などの各著名
担当者 48名で構成されており、前年 12月に新車 17台の乗用車と 12台の SUV・トラックをまず
各自が選出。12月13日に人気の高かった モデルの中から最終リストを作成し、デトロイトにある
Deloitte & Touche 会計 事務所に提出するという厳格な選考方法をとっています。
48名の選考担当者は協会から 25ポイントを与えられ、最終選考リストに残った 車に自由に投票。
ただ一モデルに最大 10ポイントしか投票できないシステムと なっているため、最高得点獲得
モデル車は 480点(10ポイント X 48名) という ことになります。
2005年の乗用車部門では、クライスラー 300が 313ポイントを獲得。次点がフルモデル・チェンジで
登場したフォード・マスタングが 256ポイント、 3位がシボレー・コルベッティの 108ポイントでした。
一方の SUV・トラック部門は、フォード・エスケープ・ハイブリッドが 232ポイントで 一位。 次点が
ランド・ローバー LR3の 163ポイント。 3位がフォード・フリースタイルの 148ポイントと、乗用車部門も
含め、われらフォード社が大健闘した今年の選考会 だったようです。
ちなみに過去のカーおよび SUV・トラック・オブ・ザ・イヤーは、
2004年 トヨタ・プリウス フォード・F-150
2003年 ミニ・クーパ/クーパ S ボルボ・ XC90
2002年 ニッサン・アルティマ トレイルブレィザー
2001年 PTクルーザー ホンダ・アキュラ
2000年 フォード・フォーカス ニッサン・エクステラ
1999年 VWニュー・ビートル グランド・チェロキー
1998年 シボレー・コルベッティ ベンツ ML 320
1997年 ベンツ SLK フォード・エクスペディション
1996年 クライスラー・ミニバン フォード・ F-150
1995年 クライスラー・シリウス シボレー・ブレィザー
1994年 ベンツ C-クラス ダッジ・ラム
となっています。 上記写真はフォード・エスケープ・ハイブリッド仕様。続く、クライスラー300 と、
2位になった新マスタング です。 でも過去の SUV・トラック・オブ・ザ・イヤーに F-150 が 2回も
入っているなんて、なんか購買意欲をそそりますよね。
今から金貯めよっ。
2002年、フォード社とオートバイで有名なハーレー・
ダビッドソン社は、両社とも創立 100周年を迎えるに当たり、
1999年から友好業務提携を実施。4年間にわたって両社の
100周年記念事業や製品化に取り組んできました。
結果その期間の市場戦略は見事に成功。予想以上の成果となったため提携期間をさらに3年間
延長。2007年まで現企業関係を続けると昨年発表しました。
フォード社は 1999年に発表した F-150シリーズ、ハーレー・ダビッドソン・モデルを 2002年までに
約 4万台を製造。 顧客からの強い反響にこのまま終わらすことが出来ないとし、今後も記念
モデルの製作を是非続けていきたいとしています。
1999年 ハーレー社との最初の業務提携開始となった翌 2000年、フォード社はまず F-150シリーズ、
スーパー・キャブを発表。 2001年にフォード/ハーレー・スーパー・クリューを追加。 さらに
2002年と 2003年には F-150スーパー・クリュー・モデルの一つであるスーパー・チャージド・
モデルを次々と投入していきました。
2002年両社は 5年間の業務提携期間を完了。 2004年にその最終記念成功モデルとして
F-シリーズ・スーパー・デューティ・モデルの製造で完結偏となる予定となっていました。
2004 年スーパー・デューティ・モデルは、F-250 および 350シリーズ、スーパー・キャブもしくは
クリュー・キャブ・モデルに投入されており、現在ディーラーでは4X4 リミテッド・エディションに
ハーレー・モデルが追加、その販売を実施しています。
このモデルは2002年 11月から製造が開始され、 2004年型となっていますが、わずか 4ヶ月で
製造予定台数の 50 % の受注が舞い込み、その予約の 90パーセント以上が 6.0 L ジーゼル・
エンジンのクリュー・キャブ・モデルの購入を希望しているといいます。
フォード/ハーレー・スーパー・デューティ・記念モデルはオレンジ色をベースにブラック・カラー、
もしくはブラックをベースにダーク・カラーのツートン・カラーか、黒単色カラーの 3種類があり、
18インチ・アルミ・ホィール、記念エンジン・デカール、クローム排気口、ハーレー社とシールド・
ロゴが刻まれたパイプ状ステップ・バー、車体ツートーンおよび黒単色カラーにマッチしたグリルを
装着。 フロントとリアにはフォード/ハーレー・スーパーデューティ・モデルのバッチが付与されて
います。 さらに前後の牽引フックもクローム仕上げとなっています。
また室内のドア・トリム、ハンドルは黒檀仕上げ。 フロア・マットにはハーレー社のマーク。前部及び
後部シートには「Harley-Davidson」のロゴが入っています。
フォード社は今後 2007年までの3年間、更なるハーレー社とのコラボレーション・モデルを発表して
いく予定であり、同社の屋台骨を支える戦略車のひとつとなりそうです。
写真は 2005年のフォード F-シリーズ・トラック、ハーレー・ダビットソン・モデルです。
Powered by "Samurai Factory"