2008年 8月、米国自動車販売台数 その 1

 

9月 1日が Labor Day で祝日であったことから、通常月とは違い 3日遅れの昨日発表になった

8月の米国自動車販売台数。　　相変わらず低調をきたしており、ゼネラル･モータース社が8月

後半にかけて、従業員販売価格セールを一般新車販売価格に適用したにもかかわらず、米国
市場全体の新車販売台数は 10ヶ月連続の前年実数割れとなっています。

 
 

引き続きライト・トラックや SUVなどのガソリン大量消費車の販売は不振を極め、ついに GM社は

自社ブランドの一つであるハマーを 「直ちに」、あるいは来年上半期までに売却したいとの声明を発表。

今年前年比約 40 % の販売減が見込まれるハマーブランドの売却が、同社にとって緊急課題と

なってきたような、切羽詰まった環境がそこに見え隠れしています。

 



 

国内製造および輸入乗用車とトラックを合わせた全体の 8月米国内自動車販売台数は、

124万 6,514台と、7月比23万 1,274台の ▲ 15.7 % 減。　うち乗用車販売は 63万 0,425台の

▲ 7.7 % 減。　トラック販売に至っては 61万 6,089台の前月比 ▲ 22.5 % と、相変わらず二桁の

大幅減となりました。　8月の新車販売状況から試算される年間販売台数は 1,370万台となり、

1992年 4月以来の低い販売台数となります。

 
 

米国ビック・スリーが相変わらず二ケタ台の販売減を示す中、特に 26年間ベスト・セラーとなっていた

フォード社の Fシリーズトラック販売はなんと 42 % の大幅減。　その他GMもクライスラーも SUV販売の

落ち込みに歯止めがかかっていません。　　
一方の日本メーカーの新車販売は引き続き好調。　トヨタがアバロン、FJクルーザー、RAV4 が牽引。　
唯一販売増となったニッサンは、マキシマやCUVのローグの売れ行きが良く、ホンダは前年比
▲ 7.3 % とそこそこの落ち込みとなりましたが、これはモデル・チェンジされたフィットの生産が
追いつかず、販売車不足が招いた販売減となったようです。

 
 

またドイツ・メーカーの自動車販売も堅調を示し、VW社が+ 2.9 % 増。　BMWが小幅減。

メルセデスは健闘するも、米国内製造の SUV の販売不振で ふた桁減。　アウディも乗用車販売が

伸びた反面、Q7 などの SUVが 前年同月比 ▲ 50.5 % となったため、全体で 15.9 %減となりました。

そして唯一大きく販売を落としたのがポルシェ社で ▲ 45 % 減。　これは 911シリーズの新モデル

発売前の買い控えが見えていることが影響していますが、米国経済の落ち込みを反映してか

ボクスター / ケイマンの販売に やや陰りが見えていることもあるようです。　一方各社 SUVの販売が

落ち込んでいるとはいえ、カイエン・シリーズの販売は相変わらず好調です。

 

 

各主要自動車メーカーにおける 8月の自動車販売台数 (乗用車 + トラック ) は、

*　ゼネラル･モータース　　　　　30万 5,782台　　▲ 20.1 %　　シェア 24.7 %　(含、サーブ)
*　フォード･モーター　　　　　　　15万 0,503台　　▲ 25.5 %　　シェア 12.4 %　(含、ボルボ)

*　クライスラー　　　　　　　　　 　11万 0,235台　  ▲ 34.5 %　　シェア   8.8 %

 

　　　　　　　　　　　　　　と、米国ピック・スリーが毎月同じように前年同月比 2ケタ台の落ち込みを
示しているのに対し、日本とドイツの大手各自動車メーカーは、

 

*　ト　ヨ　タ　　　　　　　　　　　　21万 1,533台　　▲  　9.4 %　　 シェア 17.0 %　(含、レクサス)

*　ホ　ン　ダ　　　　　　　　　　　14万 6,855台　　▲    7.3 %　　 シェア 11.8 %　(含、アキュラ)

*　ニッサン　　　　　　　　　　　  10万 8,493台　　＋  13.6 %　　 シェア   8.7 %　(含、インフィニティ)

 

*　フォルクス・ワーゲン 　　　　  2万 2,292台　　＋  　2.9 %　　 シェア  1.8 %

*　メルセデス　　　　　　　　　　  1万 8,507台　　▲   11.8 %　　 シェア  1.5 %

*　B M W　 　　　　　　　　　　　 2万 5,462台　　▲    4.1 %　　 シェア   2.5 %　(含、MINI)

*　ポルシェ　　　　　　　　　　　　　　　1,404台　　▲   44.9 %　　シェア   0.1 %

*　アウディ　　　　　　　　　　　　 　　  6,406台　　▲   15.9 %　　シェア   0.5 %

 
　　　　　　　　　　　　　　と、そこそこの立ち振る舞いで、難局を乗り切る結果を出したのではないでしょうか。
 

                                                                                                           - to be continued -