♪ かんとりー・ろ~ど、ていく・みー・ほーむ とぅー・だ・ぷれ~ん...
(下手な歌はももええちゅうねん !! )
この年末年始、帰省された方も多かったと思います。 仮に地元で生まれた方であっても、ここが
「自分の故郷」と胸を張って言う事が出来ますよね !!
ではエクスプローラーに乗っていらっしゃる皆さん、「あなたの愛車の故郷は何処 ?」 と尋ねられた
場合、なんとお答えになるのでしょうか。
「米国 ! 」、大正解。
でもあとひとひねりそこに入れちゃいましょう。
漫才師コンビ、クリーム・シチューの上田君のように、「うんちく」をちょっと頭の隅に….。
暇に任せて会社の昼休み、なか卯の親子丼を食べながらネットで一生懸命探しました。そして
ついに探し当てました。 (ここは島田 伸助 風に読んでください)。
あなたの愛車の生まれ故郷はここだったのですが、その故郷があと数年で消え去る運命の岐路に
立っているのです。
輸出用右ハンドルのエクスプローラーが作られているのはミズリー州セントルイス市郊外にある
ハーゼルウッド工場が大半。
(一部ケンタッキー州、ルイスビルでも右ハンドルの EXを手がけているものの、ごく少数。)
セントルイスで有名なのはたとえば野球チームのカージナルスがありますが、位置は丁度米国
5大湖 (ミシガン湖)とフロリダ半島の中間地点、いわゆる米国でほぼ南部に属する地域となります。
このハーゼルウッド工場、昨年までの従業員総数は約 2600名を数えていましたが、Ford社全体の
売上不振と老朽化が重なり、2年前にフォード社は2007年までに閉鎖を決定しました。
現在同工場ではエクスプローラーを始め、マーキュリー・マウンテニアおよびリンカーン・アビエーターを
作っているものの、その本格的な創業はなんと ここの読者が生まれてもいない1948年 9月21日。
当時 3,600名余りの従業員でスタートしました。
さらに第二世代のエクスプローラーの製造は 1995年 1月12日から開始され、同年 8月にはついに
V-8エンジン搭載車の製造。 さらに一年後には日本にお目見えする 輸出用右ハンドル EXの製造が
始まり 90年代後半はこの工場が最も栄えた時期となりました。
しかしながら工場設備の老朽化の波には勝てず。 さらにイラク情勢によるガソリン価格の高騰や
日本ネームによる大型トラック現地生産の開始。 ハイブリッド車へのシフトなどが響き、米国で言う
中型 SUV ( エクスプローラーなど ) の売れ行きが 2000年までにピークを打ったと見られ、
フォード社は2年年前、2007年にハーゼルウッド工場の閉鎖を決定しました。
ちなみに昨年 2004年のフォード社中型 SUVの販売総数は、
* エクスプローラー 33万 9,333 台 ( 2003年 37万 3,118台 )
* マウンテニア 4万 3,916台 ( 2003年 4万 9,692台 )
* エスカージョン 2万 0,010台 ( 2003年 2万 6,259台 )
* F-シリーズ トラック 93万 9,511台 ( 2003年 84万 5,586台 )
と、まさに F-シリーズ・トラックで持っている同社であり、ピークを過ぎた SUV製造の
工場は必然的に消え去る運命にあるのかもしれません。
従来フォード・ハーゼルウッド工場は 2交代制でエクスプローラーなどの製造を担っていたのですが、
1月からの 1交代制に合わせるかのように約一ヶ月前の 2004年12月 17日 (金)、900名の
正従業員と時間給従業員のレイ・オフを実施しました。 同社は時期新車の生産を考慮に入れての
措置と述べていますが、新アビエーターの生産も未定のままです。 さらに今年新年明けには
300名の熟練工員の追加レイオフも実施の予定。
セントルイス市は税制優遇措置として 960万ドル (約 10億円) の税制優遇措置で救済に向かう
予定にもかかわらず、ほとんど先が見えているような現状。
フォード社は とりあえず2007年 9月まで同工場での製造を続ける予定ではあるものの、現状の
日本企業の優勢を考えると、その後はかなり厳しいものがあるようです。
たとえばリンカーン・アビエーターは 2006年にフル・モデル・チェンジが予定されているものの、
フォード社からはまだ公式な発表がされていません。 ちなみに昨年のアビエーターの 1-10月
販売台数はわずか1万 9232台と前年同月比 20 %の大幅減少になっているにもかかわらず、
ハーゼルウッド工場の全SUV製造の11 %を占めるという悲惨な状況に直面しているのも事実です。
エクスプローラーの販売も前年比 7 %減少。 先行きはほぼ決まったようです。
そのハーゼルウッド工場のオフィシャル・Web ページ です。
ちなみにエクスプローラーが製造されているところは、現在米国で 2カ所。 このセントルイス・
ハーゼルウッド工場と、ケンタッキー州、ルイスビル (Louisville)工場となっていますが、我々
日本向けの右ハンドルが生産されているのはまさにこのセントルイス・ハーゼルウッド工場が主と
なっているです。
これを実際目で見ることが出来ます。 自分のエクスプローラーを前にし、右手 ( 進行方向左手 ) の
フロントガラス下の方。 小さく10センチくらいの小窓の中に 17桁の車両番号が刻まれている
プレートを見ることが出来ます。 たとえば 「1FM D U75 W 5 4 “Z” C000001」のように。
その数字の 11桁目に 「Z」の刻印が入っているなら、愛車はまさにはるばるミズリー州、
セントルイス市、ハーゼルウッド工場で作られ、はるばる日本にやってきた右ハンドルの
エクスプローラーなのです。 あなたのために...。
故郷を無くしてしまいそうな自分のエクスプローラー、あと少し労ってあげましょうね....。
可愛いやっちゃな~、って。
自分の故郷が無くなってしまうことが、どんなに寂しいことか、駐車場で埃だらけの愛車が
啜り泣いているかもしれませんよ。
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