さて、ともすれば男性が作っている一般社会。今米国では女性の自立心が毎年向上しており、
男離れが着々と進んでいるようです。 「女性とテクノロジー」という米国雑誌がシリーズ化してその
積極的な米国女性の社会との関わりを表現しています。その中の第 30題に女性とSUVs」という
特集を組んでいましたのでご紹介。
最近米国で車購入に走る女性が増えています。 1984年米国内で車購入に走った女性は全体の
わずか 20パーセントでした。 それが 1990年には28パーセントに達し、現在では車購入の意志
決定に関与する女性の割合は 80パーセントにまで上昇。 さらに車購入に関しては全体の
50パーセントが「新車」購入を好むようですが、その購入価格は平均 2万ドル (約 210万円)とのこと。
また新車購入を決定した女性のなんと 97パーセントが自分で運転するため買い込んだそうです。
車購入に走る女性の平均年齢は 41歳。うち78パーセントは高学歴を経て、平均年収は6万 3,000ドル
(約 665万円)。 特に最近米国女性はSUVを好む傾向にあり、そのうち結婚し子供を持っている
主婦の半分以上はSUV市場に大きな関心を持っているとの調査結果を発表しています。
この傾向は年々高まり、1992年には 150万台の所有が 1999年には倍の280万台となり、2003年には
実に米国全体(男女の購入を含み)で 1600万台のSUV車が販売されるという、自動車会社にとっても
最大の顧客層を形成することになっています。 ではなぜ女性は SUV車を好むようになったのか、
この要因をちょっと覗いてみたいと思います。
*なぜ女性は普通乗用車でなく、 SUVを選ぶのか。
まず大半の女性は男性と比べ車そのものの性能や細部に関心が無く、どのように便利に使うことが
出来るのかをまずチェック。そのため各自動車メーカーはこのマーケッティングに常に苦労を伴うことを
強いられました。
結果出てきた答えが、相対的に車のスタイル、安全性と快適ドライブ、運転時個々の表現、自分の
必要性に適したものかどうか、実用性、将来の使い勝手、そしてその車が適した価格であるか
どうかという、性能よりも自分の性格にあったものであることに第一優先権を示し、男性以上に外見を
気にするとしています。そのため男性以上に余計な支出をしているようですが、これは女性の年収が
徐々に向上してきていることもその理由の一つだそうです。
上記のことを総合して、女性はまず安全性を最初に選択。次に高いアイ・ポイントでより運転時の
快適性を求め、結果自動車よりも、あるいは小さな車よりも SUVにその優位性がありと判断。
比較を重ねた結果メリットを SUVに求め、普通乗用車よりも設定価格が若干高いことは、「安全性の
代償の対価」と納得するとのこと。 さらに普通乗用車より座席が高いことで自分を表現。室内と
天井が高いことで快適性も一緒に得ることが出来、仕事、アウトドア、将来の使い勝手など、すべてに
満足感を得たいという欲求にマッチさせたいと願うとのこと。
自動車メーカーもこの女性の要求に応えようと必死をコキ、前日の女性エンジニアの工夫箇所改良の
話題のように、買い物好きの女性ドライバーに対し最大のサービスを演出。 折り畳み 第 3席や後部
ドアの閉口フックなどの取り付けでその思考に答えているといいます。
さらに別の分析では、 SUVの運転時は女王様気分が満喫できるといい、見下ろしあるいは見下し
できる座席配置が、女性の最も必要としている感覚を刺激し、購入動機の一つとなるといいます。
ただ安全性を一番の理由とする女性にとって、エスカージョン、タホ、ハマーなどの大型 SUVは
運転しづらいと考え、逆に小型 SUVは横転につながるとし、その選択はエクスプローラー、チェロキー、
トレイル・ブレーザーなどの中型 SUVとなる傾向にあるようです。
最近は著名女性雑誌に広告を貼る自動車メーカーが増えてきており、米国内で権威のある女性向け
「スポーツ・イラストレーティッド」誌にはスバルがスポンサーとなっており、ジープやシボレー・トレイル・
ブレーザー、さらにエクスプローラーも 「No Boundaries」のロゴを掲げ、常連広告主の一つになって
います。
一方 TV CM でも、SUVの CMでは必ずと言っていいほどそばに女性が張り付き、以前のように
男性用一辺倒という映写がすっかり影を潜めてしまったとのこと。 男性アナウンサーが低い声で、
「これで淑女(あなた)も何でもすることが出来ますよ」と囁くといいます。
最後に例外点を少しだけ。 中型 SUVの中でも トヨタ・レクサス RX 300 (ランクル100)は別扱い。
価格が高くあれは男性用の車と認識されることが多いそうです。 さらに女性にとっての SUVは
生活するために使用するという色合いが強く、山登りに使う女性は滅多にいないことも判明。
もうひとつ、自ら車購入に走る女性ドライバーは、ミニバンよりもSUVを選択する割合が高いそうで
その理由として、キャリア・ウーマン・独身女性の比率が高く、「ファミリー臭い車になんか乗って
いられない」というのが本音のよう。
独り言:
たまに路上なんかですれ違う女性ドライバーの SUV。 なんか生き生きとした表情をしている人が
多いですよね。 男勝りという気持ちよりも、「やるじゃん」と声をかけたくなってしまいます。
一方上記写真のように、ホースを引っ張りながら走るような女性ドライバーも、たまには....
いませんよね !
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