ポルシェ・カイエン S と、911 カブリオレ。 ヨメと家族とポルシェたちに囲まれ、仕事に精出すサラリーマンの ぬる湯 顛末記。
Posted by フラン - 2008.03.10,Mon
厄介な日々が続いています。 米国マーカンタイル商業取引所に上場されている WTI (ウエスト・
テキサス・インターミディエート) 原油価格が急騰。
引け値こそ 105.91ドルと前日比 マイナス 32セントで終わりましたが、一時 106.54ドルと 3日連続で
史上高値を更新しています。
米国・イランの緊張などで 昨年秋口から上昇を続けた原油価格は、今年 1月 02日に 99.62ドルの
高値を付けたあと、米国景気後退懸念から反落に転じ、2月 07日には 86.47セントとわずか 1ヶ月の
あいだに 13 % もの下落を見せました。
しかしながら北米への寒波襲来やチャベス・ベネズエラ大統領がエクソン・モービルへの石油輸出停止
措置を取ったことなどから再び上昇。 2月 27日には ついに 3ケタ台の 100.80ドルへ乗せ、その後
100.00 ドルを挟んで一進一退のあと、週末金曜日には 106.51ドルの史上最高値を付けに行きました。
今回原油高が進んだ主な要因として、米国ドル安とインフレ更新の 2つが上げられています。 OPEC
石油産出国の原油輸出代金はイランなどを除き、主に米ドルで決済されていますが、サブ・プライム
問題で信用収縮の進む米国では、米国連銀が更なる大幅金利引き下げ措置を取るのではとの観測が
続いています。 この金利低下観測を背景に、今年に入ってからドルは全面的に安値を更新し続けており、
対ユーロで 1999年のユーロ創設以来連日の安値を記録。 本日は 1ユーロ 1.5385ドル、対円でも
先週金曜日一時 101.45円を付けたあと現在 102.15円となる 8年振りの安値を更新しています。
ドル安に伴うドル資産の目減りが OPEC諸国の原油産出量の増産を阻害し、3月 5日に開催されたOPEC
総会では生産量を据え置いており、 9月の同総会前に開催予定の臨時総会でも恐らく再び据え置かれる
との見通しが濃厚。また米国では原油・食品価格の上昇が影響し、消費者物価 (CPI) は + 4.3 % 、
生産者物価 (PPI) は、年率で + 7.4 % と、1981年以来 27年振りの上昇となり、景気は
スタグフレーション化。 米国内物価上昇に伴い、原油価格がさらに上昇するという悪循環に陥り始めて
います。
景気後退と共に進むインフレ環境の中、先週後半原油価格は連日の高値を更新して行った先週最後の
金曜日、米国大手投資銀行の一つであるゴールドマン・サックス・ロンドンの石油アナリストが、また首筋が
寒くなるレポートを発表しています。
同社レポート によると、「 原油の平均価格は今年 95ドル、 2009年 105ドル、そして2010年 110ドルまで
上昇し、価格レンジの上限は恐らく 135ドルと考えられる。 しかしながら地政学的リスクの高まりと、
非OPEC産油国の原油産出が横ばい状態で増えない中、米国経済が再び回復を見せた場合、
原油価格は 1バレル 150 ~ 200ドルに達する可能性もある」、と述べています。
下グラフは原油産出量推移を示したものですが、2004年下期から世界の原油産出量はほぼ横ばい
推移となっています。
なぜ原油価格はこれほどまでに高止まりを示しているのでしょうか。 確かに最近米国株式市場などが
軟調な動きを繰り返しており、「 本来金融市場へ投資するはずであった資金が商品市場へと還流。
特に原油と穀物先物が集中的に買い込まれている 」 との見方をしばしば目にすることがありますが、
果たしてそれだけが要因となっているのでしょうか。
新興諸国を批判する意識はさらさらありませんが、国際エネルギー機構が 2006年に発表したグラフを
引用させて頂きました。
このグラフは、2006年における各国一人当たりの原油消費量です。 上位 4カ国の 1) サウジアラビア、
2) 米国、3) カナダ (タール・サンドの埋蔵量世界一)、4) オランダ (北海沿岸のガス田は 欧州第 2位) は
いずれも原油もしくは天然ガスの産出国です。 安価な価格、広大な国土や厳しい気候が原油などの
消費増となっているのかもしれません。 またここでは消費量を人口で割るため、中国、インドなどは
20カ国中下位になってしまいます。
意外なのは日本の第 7位。 日本における一人当たりの原油消費量は、韓国、台湾より少ないのです。
「 なんだ 中国やインドの石油消費量が急拡大していると言われているけど、まだ下位じゃない ! 」 との
インプレッションがまず沸いてきます。 おっしゃるとおり 14億人の人口を抱える中国、 また11億人の
人口を持つインドからすれば一人あたりの原油消費量は格差があり、まだまだ小さいと言えます。
ただこのチャートの右に、○とバーで色濃く示してあるのが一人当たりの原油消費量が増加した国です。
特にタイ、中国、サウジアラビアの消費量が急増しており、先進主要国は英国を除き、微増もしくは減少
している国が目立っています。
それでは下記のチャートをご覧下さい。 これも国際エネルギー機構から拝借したものですが、
「 世界各国が一日あたりに消費する原油と天然ガスの平均増減 」 を、棒グラフにしたものです。
* ベージュ色の棒グラフが 1990年 ~ 2005年における一日あたり、実際の消費量の増減
* ピ ン ク 色 の棒グラフが 2005年 ~ 2015年における一日あたり、推測の消費量の増減
お解かりいただけますように、ここで現状は がらりと変わります。原油および天然ガスの一日あたりその国の
平均消費量は、過去 10年間先進主要国の中でマイナスとなっているのがなんと日本のみ。 その他諸国は
増加していることがわかります。 さらにいずれの主要国も過去 10年と比べ、今後 10年のほうが一日
当たりの消費量が減少する見通しとなっています。
ところがエマージング諸国は過去も今後 10年も消費量は増加する一方。 中国を筆頭に、中近東諸国、
インドなどはガソリンの消費が急拡大する見込みです。 特に中国は過去 10年間、一日当たりの消費量が
27万 6,000バレルであったものが、今後 10年間には 41万バレルへと大きく伸びると予測されています。
日本でカローラが爆発に売れた昭和 40年代に似たモータリゼーションが今中国およびインドで始まりつつ
あります。 かたや日本を中心に先進主要国においては工場設備、自動車や電化製品などの省エネ化
などで、年々原油の消費量は減少すると見られています。
ただ いかんせん上記新興諸国は人口の絶対数に極端な開きがあり、世界全体における原油の消費量は
増加の一途となるのは間違いないようです。
昨日ボクスターの給油をしにガス・スタンドに立ち寄ったところ、1L 158円。 これが会員カードで 1L
154円になるのですが、満タンで46.70 L のハイオクがタンクに入り、総額 7,191円でした。
2,3年後 1バレル 200ドルになっていたらいったいどうなるのでしょう。 原油価格は現在約 105ドル。
これが倍の価格になるということですからガス・スタンドの小売価格も倍になり 1L 約300円。 なっなんと、
支払い総額は軽く大台を超え 1万 4,000円台に達してしまいます。
気軽にカイエンに乗るには、ちと厳しい環境かも知れません。
ただ昨日の給油領収書には支払金額 7,191円のうち、2,500円強に及ぶ道路特定財源税が自動的に
徴収されていることが明示されています。
どう使われているか、お解りですよネ !
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