2002年型から 3rd generation の
デザインとなったエクスプローラーの
写真を初めて見たとき、「なんか
アゥディを連想するなぁ」と思った方が
多かったのを思い出します。
このエクスプローラーの最終デザイン
監修は J Mays氏 (50歳: 詳しくは
2月 15日付けのアップ をご参照
下さい) が担当していますが ( 2006年
新型エクスプローラーは、フォード社
生え抜きの パトリック・シャボーン氏が
バトン・タッチ)、それに付随するかのようなニュースが5月 2日にフォード社からアナウンスされています。
勝手に題して、 「プロジェクトX ~挑戦者達~、今後のフォードを描く男達、パート II」。
今爆発的な売れ行きとなり、ダイムラー・クライスラー社の収益の屋台骨となっている300C、この
デザインを手がけたトーマス・フリーマン(Thomas Freeman) 氏 47歳を 4月21日に引き抜き、
6月 1日からフォード社で新たに新車および現モデルのデザインを担当する運びとなったとのこと。
同氏のクライスラー社在籍期間は約 6年でした。
フリーマン氏は、1990年代にフォルクスワーゲン社でアウディTT・ロードスターと現ニュー・ビートルの
デザインを担当。 その後D・クライスラー社カリフォルニア・デザイン・スタジオに移り、同社300Cの
デザインを手がけていました。
フォード社は経費節減が緊急課題となっている中、やはり車の売れ行きの最大要素はデザイン
そのものにあることを再認識。 今回あえてライバル企業で好調な販売となっている車のデザイン
担当者に注目しフリーマン氏をスカウトしたようですが、実は90年代にフォード社の最終デザイン
監修者であるJ メィズ氏と同じ職場で、アウディおよびニュー・ビートルの設計をしていたということも
大きな要因となったようです。
現クライスラー社はこの一年半の間に主要デザイナーがフォルクスワーゲン、ゼネラル・モータース、
トヨタおよびヒュンダイ・モータース社に次々と引き抜かれ、ほとんど草刈り場状態。 GM、
フォード社が大幅に販売を落とす中、唯一クライスラー社は今年第一四半期に 5.6 % もの販売増と
なったことが逆効果となり、主要デザイナーが櫛の歯が欠けるように好条件で同業他社に転職して
いるといいます。
米国ニッサンもしかり。ガソリン高騰にもかかわらずMuranoと Titanが絶好調の売れ行きのため、
早急に米国デザイン・センターを大幅拡大する計画。今後各社の主要車デザイナーの引き抜きに
ますます拍車がかかる気配。
フォード社は昨年フル・モデル・チェンジされたマスタングの販売が大きく伸びている反面、同年新規
投入されたファイブ・ハンドレッドやフリー・スタイルが伸び悩み、その設備稼働率は 85 %前後に
とどまり脆弱さが露呈。 今回のフリーマン氏の引き抜きでデザイン変更とトラックおよびSUVの
販売てこ入れの一環とし、今後もデザイン・タレントの採用途上にあると述べています。
フリー・スタイルとエクスプローラーおよびエクスペディションの顔面が酷似し、さらにヨーロッパ・
フレーバーが重なり、将来ラジェター・グリルが下部までだらりと落ちたデザインが主流になって
くるのであれば、路上ですれ違がった時に、いったいどこのメーカーの車で何という車種名か
分からなくなってしまう可能性もありますよね。
反面これからどんなデザインの車が出てくるのかちょっと楽しみ。 こうご期待です。
上記写真 スーツ姿のおぢさまは、今度フォード社に転職するデザイナー、
トーマス・フリーマン氏です。
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