最近世界各国、特に欧州諸国で CO2削減問題が急速に広まり、ついにポルシェ社も早ければ来年、
もしくは 2010年までにカイエンにジーゼル・エンジン搭載車の導入を 決定したと一部メディアが
報じています。
現在のところポルシェ社はジーゼル・エンジンの技術がないため、恐らくアウディ社の V6エンジンの供給を
受けると見られており、その後 V8, V10, V12エンジン搭載車も考慮中のようですが、車重が増すため
導入に至るには困難であるようです。
アウディ社は出力 300馬力を超える 3.2 L V6 ツイン・ターボチャージ・ジーゼル・エンジンを現在開発中で、
カイエン搭載にジャスト・フィットの第一候補といわれています。
カイエン、パナメーラのハイブリッド・エンジンに平行し、ジーゼル・エンジン採用も視野に入ってきた
ポルシェ社、もちろん環境に配慮した車を作ろうと模索している最中なのですが、実は 1ヶ月程前から
下記のようなとんでもない問題がのしかかっていたのです。
場所は英国・ロンドン、現在ロンドンの市内中心部に車で入るには、コンジェスチョン・チャージ
(Congestion Charge) という渋滞税を支払わなければならず、リビングストン・ロンドン市長は現行
一台あたりの渋滞税を改正し、二酸化炭素をより多く出す車に より高い渋滞税を課すことに変更。
今年 10月 27日から、1キロメートル当たり 120グラムの二酸化炭素を排出する車に対しては無税
措置となるのですが、225グラムを越える車の渋滞税は通常の 8ポンド ( 約 1,640円 ) から一挙に
25ポンド ( 約 5,100円 ) への引き上げが決定。
これに対してポルシェ社は、「市長がこのような政策を用いるのは暴挙であり違法である」 との声明を発表。
「 法的措置も辞さない 」 としていますが、ロンドン当局は「正々堂々と受けて立つ」とし、両者対立の溝は
全く埋まっていません。
現在ポルシェ社は 46モデルを販売。 ただ 225グラム以下の二酸化炭素排出する車はボクスター
およびケイマンの 2.7 L モデルしかなく、911と カイエンはロンドン規定の 1.5 倍前後。
ジーゼル搭載車でも達成は難しいと思われますが、これも環境対策の第一歩でしょうね。
ポルシェ社はロンドン市の規制に対抗し、条例の改正、廃止、もしくは延期を求める予定では
あるものの、敗訴した場合 ボクスターとケイマンのみが走り回るロンドン中心部となりそうです。
いやアメ車も難しいでしょうね。 市を挙げて、「プリウスとローバー・ミニに乗ろう」 のキャンペーン
かもしれません。
一ヶ月渋滞税支払いだけで 10万円を越すこのコスト、これに中心部の駐車料金、および日本より
高いガソリン代を加えると....恐ろしすぎるかも....
ガソリン税が廃止されるかもしれない日本が、なぜか良く見えてくるようです。
既にいくつかの海外メディアが報じていますが、ドイツ・シュタットガルトにあるポルシェ・
ツッフェンハウゼン工場の塗装行程部門で爆発事故があり、2名の従業員が軽症。 病院へ
搬送されたという事故が起こっています。
現地時間 2月 25日 (月) 午前 5時ごろ、車両生産ラインの一つであるポリ塩化塗装乾燥オーブン
工程でガス漏れが発生。 被災の規模はまだ明らかになっていないものの、引火と共に
スプリンクラーが自動作動したことで、この塗装部門と別部門数ヶ所が水に漬かったとのことで、
組み立てラインが停止。 検査・復旧に少なくとも 2,3日、長ければ数日の日数を要するため、
ポルシェ社はツッヘンハウゼン工場で作られている 911の生産を しばらく停止すると 公式
発表しています。
ただカイエン およびボクスター・ケイマンは別工場で作られているため、その影響は全くなしとのこと。
同工場は一日あたり 160台の 911モデルを生産。 幸いなことに今回の事故では 車体組立部門、
またエンジン設置部門へ被害が及んでいないこともあり、短期間での復旧が可能のようです。
.
.
(注: 上記写真は、今回の事故とは無関係です 参考記事 1 2 3 )
.
.
最近ポルシェの塗装は環境を配慮して水溶性ペイントを使用し始めたようで、早期劣化を懸念する
噂を耳にすることがたまにあります。 しかしながら個人的な感想として、実際手で触った
各ポルシェ車のペイントは自動車メーカーの中でもトップ・クラスのペイント技術と質感を施して
いるのではないでしょうか。
.
この硬質な車体塗装に、ポリマー・コーティングをかければその後のメインテナンスに手間は
かからず。 少々の汚れは、洗車場のウォーター・ガンでほぼ落とすことが出来ますし、特に
ホィールに付くブレーキ・ダストの洗浄には、抜群の威力を発揮します。
エンジンの性能共々、ポルシェの塗装は化粧いらずの素肌美人かも知れません。
.
集まりの中で、たまたま話題となったことの一つ、「 VIN コード ( VIN Code もしくは
VIN Decoder ) 」 に付いて、書いてみたいと思います。
少し長くなったことや時間を要したこと。 またファイル容量の関係で一つにまとめてあげることが
出来ないこともあり、 back value date の過去日付も使い、分割してアップさせていただきます。
.
ほとんどの輸入車に確認できるこの VIN コード、もちろん全てのポルシェ車にもこの VIN コードが
付いており、自分の車を前から見ると フロントガラス右下に長さ 10センチ、幅 2センチ程度の
小さな枠内に、ローマ字と数字で17桁の認識番号が刻印されているのを見つけることができます。
VIN コードは車両のタイプや特徴を数字やローマ字で略式化して示したものなのですが、
認識を、13桁の数値などをもってスタンプで表記するようになったことから始まっています。
しかしながらモータリゼーションの進化と共に 13桁での表示が困難となり始め、1980年代に
米国ハイウェイ交通安全局 ( NHTSA – National Highway Traffic Safety Aministration ) が、
これを17桁に改正。 その車の DNAを完全に表示することを各自動車メーカーに義務化。
米国への輸入車にも適用を求め、現在に至っています。
順序 |
VIN コードの英文説明 |
VINコードの和文説明 |
略号 |
略号の持つ意味・その他内容 |
01 |
World Manufacturer Code | 自動車メーカーの所在国 |
W |
( 西 ) ドイツ |
02 |
Manufacturer | 自動車メーカー名 |
P |
ポルシェ社 |
03 |
Model Type | 車の種別 |
0 |
0 - 乗用車、1 - トラック |
04 |
US/Canada Body Type | ボディ・タイプ |
Z |
日本輸入車では省略し、 「 Z 」 で表示 |
05 |
US/Canada Engine Type | エンジン・タイプ |
Z |
日本輸入車では省略し、 「 Z 」 で表示 |
06 |
US/Canada Restraint System | 安全装置の有無 |
Z |
日本輸入車では省略し、 「 Z 」 で表示 |
07-08 |
Vehicle Type | 車両モデル |
98 |
モデル番号の、最初の 2桁 987 |
09 |
USA Checksum Digit | 制御番号 |
Z |
日本輸入車では省略し、 「 Z 」 で表示 |
10 |
Manufacture Year | 車両製造年 |
7 |
2007年 2007 |
11 |
Assembly Plant Location | 製造工場立地国 都市 |
U |
Uusikaupunki (フィンランド バルメット工場) |
12 |
Vehicle Type Destination | 車両タイプ 仕向け |
7 |
モデル番号の最後の数字 987 |
13 |
Body / Engine Code | 排気量 |
2 |
3.4 liter |
14-17 |
Serial Number | 個別車両番号 |
9999 |
当該車両 製造・認識番号 4桁 |
合 計 |
17桁 |
( Uusikaupunki に工場がある、バルメット社 ) 。 12 – 98モデルの7シリーズ ( 987 ) で、
13 – 排気量3.4 L の S モデル、14 - 車両番号が 9999 であることを、上記 VINコードが
物語っています。
- to be continued -
従って、ポルシェ社だけでなく、BMW、メルセデス、フォルクス・ワーゲンの各社も全て 「 W 」 で
始まります。 ちなみに他の国は、米国: 1 もしくは 4、 カナダ: 2、 メキシコ: 3、 日本: J、
韓国: K、英国: S、 イタリア: Z などとなっていますが、ドイツは1989年の東西ドイツ統合
以前から 西ドイツ ( West Germany ) 製として米国に輸出していたため、「 W 」 がドイツを表す
. 1990 1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999年製造
7 は、ボクスター / ケイマンの 987 シリーズ番号。 6 が入ると 986 となります。
シュタットガルト工場で製造された 3.2 もしくは 3.4 L のボクスターには 4 が使用されています。
また今回の記事アップを作るにあたり、細心の注意を持って調べましたが、上記説明に
該当しない VIN コードがあるかも知れません。 さらに並行輸入車に対してはこの限りでない
ことなど、ご理解の程お願い申し上げます。
* その 1 ゲンバラ ケイマン GT および GT 4.0L RS
ポルシェ各車のモディファイで有名なゲンバラ社 ( Gemballa ) から、3.4 L ケイマン S をチューン・
アップした ゲンバラ・ケイマン GT および GT 4.0l RS がリリースされています。
.
. . スペックは下記の通り
. Conversion based on 987-C Cayman S
..
Front Spoiler Lip GT
Front Bonnet GT
Front Side Skirts GT
Front Rear Skirt GT
Rear Spoiler GT
20" RACING BLACK MAGIC
Sport-Exhaust System
Sport-Suspension, adjustable
Design Interior Bicolor
Design Interior Package
Schwiftway Reduction, Racing-Shifter
.
.
...
ゲンバラ社の公式発表 WEB は、こちら です。
.
+ ゲンバラ・ケイマン GT 4.0l RS
同じくケイマン S の 3.4 L を 0.6 L チューン・アップし、 4.0 L へボア・アップ。
ちゃんと お髭も付いています。
.
その性能はまだ発表されていないものの、カレラ S に近似値とのこと。.
スペックは下記の通り、
Conversion based on 987-C Cayman S
. Front Spoiler Lip GT
Rear Spoiler GT
Exterior Carbon Package
RACING 20" BLACK EDITION
RACING-Brake System
Engine Kit 4.0l RS
Interior Design Bicolor
Sport-Seats type Sport
Floor Mats
Alloy Pedals
Entrance Blends
Special Carpet
Special Leather Alcantara
ゲンバラ社の公式発表 WEB は、こちら です。
* その 2 バナメーラムービー写真
次期ポルシェ初の 4ドア・セダン、バナメーラのスパイ・ムービーがアップされています。
かなりイケてるような気がしますが、如何でしょう。
動くバナメーラーは こちら のWEB で。
* その 3 カイエン、北米でリコール
ポルシェ・ジャパンでは未発表で今後どう取り扱われるのか判りませんが、
北米ポルシェ社ではカイエンのボランティア・リコールをプレス・リリースしています。
対象となるのは 2006年 11月 30日 ~ 2008年 1月 28日までに製造された V6 カイエン。
新旧型車両の V6カイエンで、世界での総販売台数は 1万 8,856台。
ただ V8 カイエン S、ターボおよび GTSは適用外とのことです。
不都合カ所はガソリン供給パイプ。 通常走行で燃料供給ラインがエンジン・コンポーネントと
接触し 摩滅などの不都合が生じるようで、これまで 5件の事象クレームが発生。
そのうちわずか一件に、その事例が見られたと述べています。
今後の対策として燃料供給ラインの変更を実施。 約 40分で完了する作業で無償修理にするとのことです。
北米ポルシェ社のプレス・リリースは、こちら となっています。
Powered by "Samurai Factory"