解決する案を選択したと公表しています。
その内容によると、「 昨年 10月 23日に欧州高等裁判所 (ECJ) は、48年前に制定されたドイツ
国内VW法が欧州域内の資本の流動化を妨げる要因となっているとして違憲判決を下したにも
かかわらず、先月開催されたVW社の株主総会では 未だVW法が効力を持ち、発行済み
株式総数の 20.0 % を持つニーダ・ザクセン州の否決により、31% を所有するポルシェ社は
株主としての正当な権利主張が出来ない事態に陥った 」 とし、ブラウンシュワイク地方裁判所に
提訴し、法的根拠と照らし合わせこの点を明確にしたいことを表明しました。
違憲との結論を下したのですが、その問題点として、
なっていること。 かつドイツ地方政府が VW社の株式を保有していることの意義。
会社定款を変更することが出来るものの、VW法においては全株主数の 80 % + 1株の
賛同が必要。 かつ VW社の大株主となっても、上限 20.0 % の株主権利 (定款変更の
投票権など) しか与えられていないこと。
総株主の25 % 以上の 賛同を必要としますが、VW社においては 20 % で拒否権発動が
可能となること。
ザクセン州の拒否権によって部分的にせよ履行されたことで、この問題がまだ解決がなされて
いないこと。 さらにVW社の株主、一般従業員および資本市場iは、どのような法的根拠で
欧州高等裁判所の判断が VW社に適用されるのかを明らかにしたいと、ポルシェ社はその
提訴理由を述べています。
成り行き次第となってきました。
大きな問題になりそうです。 3社共通のプラットホームやパーツなどの計画が繰り延べされて
行くのであれば、今後の新車開発の工程に大きく影響すると思われます。
しまうかもしれません。
アップしたいと思います。 決して特定の会社が、間違っているのではないことは事実です。
既得権益が付きまとうものなのでしょうね。
昨日 4月 24日、ドイツ・ハンブルグでフォルクスワーゲンの年次株主総会が開催されました。
( お断り: フォルクスワーゲン社を、VW社と略して記載しています。ご了承下さい )
延々 10時間以上に及んだ今回の VW 株主総会には、約 2,600名の株主が参加し、白熱した
オステロフ VW社労組委員長は前日 記者団に対し、「 ポルシェ社は VW社の株式を 31 %
保有する筆頭株主であることは十分理解しているが、フォルクスワーゲン社は今後の成長
過程においてポルシェ社を必要としていないし、過去も成功を遂げている。 我々はポルシェ
傘下に入らなくても、世界一位のカー・メーカーになる能力を持っている。 中規模なスポーツ・
カー・メーカーが、世界で36万人の従業員を有するフォルクスワーゲン社を導くことが出来るか、
疑問が残る 」 とかなり辛らつな意見を述べていたことも含め、株主総会となった会場内外とも
緊張感が漂う一日となったようです。
今回の VW年次株式総会で最も注目されたのは、フォルクスワーゲン法の改正。
ニーダ・ザクセン州が拒否権発動が出来る 20.1 % の持ち株比率を、 25 % に引き上げようと、
VW社が民営化になって以来初めて、ポルシェ社が提案しました。
変化についていくことが出来ず、また大衆車中心の車製造のため、VW社のコストカットが
急務となっています。
アウディ社やスペイン・セアト社の売却を計画していると、買収反対を強く主張。
今後メルケル独首相が、ウルフ州知事と VW法改正で会談を予定するところまで硬直した結果と
なり、閉会を迎えています。
またポルシェ社ウォーテンバーグ法務担当は、「フォルクスワーゲン・グループに属する
アウディ社を含めた 9社のカー・メーカーの売却はしない。 また欧州域内の法案に沿い、
ドイツ VW社、さらに労働者に適した新VW法が必要である 」と総会で公表。
承認を取り付けたい。 それまで我々は大きな動きをとることはない 」 とし、VW法の改正が
受け入れられたたあとにVW社の株式買い増しを示唆しています。
写真 右 - フェルナンド・ピエヒ VW社 会長
主要議題が可決できる改正も同時に求めています。 ただ VW社の取締役会には労組出身
役員が半数を占めていることもあり、今後の協議は難航が予測されるようです。
可能性が高いと思います。 ただ現況から想像すると同州は、雇用保護を目的にその打診を
拒否することになると推測されます。
その実現までにはまだまだいくつもの高いハードルが待ち構えていることもあり、最終合意に
至るまでかなりの日数を必要とするでしょう。
写真 左 - マーチン・ウィンターコーン VW社 最高責任者
写真 右 - ( 髭の人 ) ヴェンデリン・ヴィーデキング・ポルシェ社 最高責任者
まずはドイツ政府がどのように改正 VW法を発表するか、ここが最大の重要ポイントになると
思われます。 混沌とする買収劇、その行方は 未知数だらけのようです。
なお上記全部の写真は今年の VW社年次株式総会におけるものではなく、
昨年 2007年の株主総会時の写真です。 イメージ写真ということ、でご了解下さい。
こちら 03月 03日のアップでご紹介しましたように、英国ロンドン市街中心部に車で入る場合、
現在 8ポンドのコンジェスチョン・チャージ ( Congestion Charge ) という渋滞税を支払わなければ
ならないのですが、リビングストン・ロンドン市長はこの条例を改正。 今年 10月 27日から 1キロ
メートルあたり 225グラムを超える二酸化炭素を排出する車の延滞税を、一挙に 25ポンド
( 約 5,000 円 ) に引き上げようと計画中です。
毎日の通勤に該当車を使うと、邦貨換算で月 10万円を軽く超えることになるため、かなりの出費に
なることは容易に推測できます。
これに対しポルシェ社は、リビングストン市長に正式な抗議を表明。 同社にとって渋滞税を軽減
出来るモデルは現在ボクスターおよびケイマンのみとなり、特に今後英国内におけるカイエンの
販売減を懸念。 「 特定の車および企業を阻害する法案だ 」 と渋滞税引き上げに反対する立場を
明確にしていました。
ところが意外な結果が出現。 ロンドン市に居住する 16歳以上 1,041人に問い合わせた直近の
アンケートによると、なんとその 61 % が渋滞税引き上げを支持。 さらに約 70 % の住人が、「 渋滞税
そのものが、ロンドン市にとって望ましい 」 とする意見を持っていると発表されました。
しかしながらポルシェ社は、引き続き渋滞税引き上げは不当との態度を堅持。
大手自動車メーカーも関心を示す問題となっているようですが、世界的に年々高まる総合的な二酸化
炭素削減対策からすれば、それほど大きな問題ではないと踏んでいるようです。
確かに主要自動車メーカーからすれば、大型車から小型車まで数十種類のモデルを持っているため、
その対応は容易にとれると考えられます。 しかしながらポルシェ車にとっては大半のモデルが
多額の渋滞税を毎日課せられることになり、死活問題に発展する可能性も十分あります。
特に高収益を生み出してくれるカイエン、さらには旗艦モデルである 911 の売り上げに、今後大きな
影響を及ぼすことは間違いないものと思われます。
ましてやロンドン市のみならず、他国大手都市が同じような排ガス税施行などの行動に出た場合、
計り知れない結果が生じます。 東京都はジーゼル排ガス規制に躍起になっていますし、米国から
広がり、今では世界のお決まり事となったとなった航空機内や公共場所での禁煙など、各種規制は
あっという間に世界を席巻してしまいます。
これら課題をクリアするように、パナメーラやカイエンのハイブリッド仕様、さらには最近噂にあがって
いるようなジーゼル・カイエンなど、その対策となる車の開発が進められているものの いかんせん
時間が足りず。 ポルシェ社といえど、どこから技術供与を受けなければならないのが現状。
恐らくポルシェ・ワーゲン・グループの再編を早めてくることは、まず間違いないでしょう。
直近 まことしやか に囁やかれているのが、これ。
アウディ社が開発を進めているという 「 R8 V12 DTI 」 からの技術供与。 あのアウディ R8 に、
現在ジーゼル・エンジン搭載車が計画されており、完成すれば 0 → 100 km/h 到達までわずか4.2 秒。
100km距離の走行において、14.6 L の燃費を稼ぎ かつ 500馬力の出力を発するすごいエンジンの
カイエン搭載です。
ただこの R8 V12 DTI における唯一の欠点は、エンジンが大きすぎて トランク・スペースがなくなり、
省スペースのトランクを室内に確保することになるとか。
容積の大きいエンジンとはいえ、カイエンならば工夫も出来ることでしょう。 結果 世界的な二酸化炭素
削減問題が、自動車メーカーの再編をよりはやめる要因となりつつあるようですね。
個人的にはジーゼル・カイエンよりもジーゼル R8 に一度試乗してみたいものです。
ハンドリングはどうなんでしょうね。
それ以上にガソリン・スタンドで 「 軽油・満タン」 と言うことに、少しテレが入るかもしれません...。
既に 3月 04日の日経新聞が報じているように ポルシェ社 ( Dr. Ing. H.c. Porsche AG ) は、
フォルクス・ワーゲン社 ( Volkswagen AG ) の株式を買い増し、その持ち株比率を 51.0 % にまで
引き上げることを 3日に開いた監査役会 (日本で言う取締役会) で決定。
ドイツ独占禁止局の認可が下り次第、現在の VW社の株価から試算して、総額約 80億ユーロ以上
(約 1兆 2,600億円以上 ) をかけて株式買い取りを実施することを決定しています。
こちら 1月 31日の Blog 記事でも掲載しましたように、現在ポルシェ社は VW社の発行済み株式の
31 % を保有しており、ドイツ 16州のひとつであるニーダ・ザクセン州が 20 % を保有しています。
ただ 48年前に制定されたフォルクス・ワーゲン法において、発行済み株式の 20 % 以上を持つ大株主が
現れたとしても、その議決権は 20 % までしか認めないとしています。
しかしながら昨年 10月 23日、欧州統合諸国全体を司る 欧州高等裁判所は、ドイツのVW法が欧州域内
全体の資本の流動化を妨げるとし、この法案に対し違憲判決を下しました。
これを受けて現在ドイツ法務省で改正VW法施行を検討中ですが、新法案も旧法案に類似した内容となる
可能性が高く、既にポルシェ社は関係省庁や州議会に抗議文を送付しています。 よって再び劣勢になる前に
一気に攻勢のスタンスを取り、大株主としての権利主張を目指し、51.0 % の VW社の株式取得を目指した
ものと考えられます。
攻勢に出るポルシェ社の資産は 700億ユーロ ( 約 1兆 1,000億円 )、対する VWグループは
1,500億ユーロ ( 約 23兆 6,000億円 ) の資産を持ち、まさに小が大を飲み込む絵巻物。
VWグループにはフォルクス・ワーゲン社グループ企業として、トラック・メーカーであるスカニア
(スウェーデン、VW社は同社株式の 2 / 3 を取得する予定。 さらにスカニア社は、ドイツ最大の
トラック・重工メーカーであるマン社 (MAN) を支配下に置いており、またベントレー (英)、ブガッティ (仏)、
シュコダ (チェコ) などを傘下に持ち、さらにアウディ・グループ (99 % の株式を VW社が保有) では、
ランボルギーニ (伊)、セアト (スペイン) と組んでいます。
仮に VW社の株式を51.0 % 取得した場合、ポルシェ・グループの年間総販売台数は 650万台。
全タイプの車種が揃うことになり、またグループの規模もゼネラル・モータース社、トヨタ自動車、
フォード社に続く、世界第 4位の自動車グループに躍進することになり、第 5位はルノー・日産グループが
それに続くことになります。
さて、邦貨換算で 1兆円を越す買収資金を、どのように調達するのでしょうか。
実際ポルシェ社は昨年 3月、350億ユーロ ( 約 5兆 5,000億円のシンジケート・ローンを
ABNアムロ銀行 (オランダ)、バークレーズ・キャピタル (英)、メリル・リンチ (米)、コメルツ銀行 (独)
そしてUBS銀行 (スイス) の5行と与信枠を締結し、31.0 % の株式取得へと乗り出しました。
この 350億ユーロのシンジケート・ローン枠設定は、昨年一般私企業で設定されたものとしては最大の
金額でしたが、今年 3月に期限切れとなり、先月 2月に再度 100億ユーロの与信枠が設定されています。
100億ユーロ ( 約 1兆 5,700億円 ) の のクレジット・ライン枠は運転資金や緊急時のみに用途が
限られており、 VW社の買収資金には使用されないとのことのようですが、なぜか新たに VW株式 20 %の
買い増し資金と、ほぼ同額となっているのがミソかもしれません。
さらにポルシェ社は 3月 3日に自社株式1株を、 10株に分割し、1株当たりの価格引き下げを行い、
市場参加者が買い易いように株式分割を実施しています。 これにより株価は 1 / 10 になりましたが、
株主は 10倍の株数を付与され、理論価格は同じ。
ただ一般投資家が買い易くなったことで、今後株式市場からの資金調達も容易になると考えられます。
因みに本日午後 20:30時現在のポルシェ社と VW社の株価は、
* 本日のポルシェ社株価 118.35ユーロ ( 約 18,600円 )、対する
* Vワーゲン社の株価は 152.45 ユーロ ( 約 24,000 円 ) となっています。
平行して昨日発表になったポルシェ社の上半期利益 (2007年 8月 ~ 208年 1月 )は、前年同期比
44 % も伸び、13億ユーロ ( 約 2,046億円 ) の純利益 (前年同期は約 9億ユーロ) を稼ぎ出し、
税引き前利益は 24 % 増の16億 6,000万ユーロ。
売上高は 34億 9,000万ユーロ ( 約 5,500億円 ) と、前年同期比 14 % もの増加となっています。
これはカイエンを先頭に各モデルとも好調な販売が続いたこと、さらに昨年 VW社への出資比率を
引き上げた (株式の買い増し) ことで、収益が大きく好転。 まさに営業利益と金融利益の両輪が、
うまく転がり始めていると言えるのではないでしょうか。
ドイツ独禁局による買収承認の許可が下りるまで少なくとも数ヶ月かかるということで、その間に
改正フォルクス・ワーゲン法の骨子も発表されることになるでしょう。
しかしながら欧州諸国、いや世界の自動車産業の流れは、再び加速度を増してきているのが
現実となりつつあります。
今後の世界の自動車産業を占うことが出来るビック・イベントが、もうすぐ始まろうとしているようです。
今後の成り行きに注目でしょうネ !
既にいくつかの海外メディアが報じていますが、ドイツ・シュタットガルトにあるポルシェ・
ツッフェンハウゼン工場の塗装行程部門で爆発事故があり、2名の従業員が軽症。 病院へ
搬送されたという事故が起こっています。
現地時間 2月 25日 (月) 午前 5時ごろ、車両生産ラインの一つであるポリ塩化塗装乾燥オーブン
工程でガス漏れが発生。 被災の規模はまだ明らかになっていないものの、引火と共に
スプリンクラーが自動作動したことで、この塗装部門と別部門数ヶ所が水に漬かったとのことで、
組み立てラインが停止。 検査・復旧に少なくとも 2,3日、長ければ数日の日数を要するため、
ポルシェ社はツッヘンハウゼン工場で作られている 911の生産を しばらく停止すると 公式
発表しています。
ただカイエン およびボクスター・ケイマンは別工場で作られているため、その影響は全くなしとのこと。
同工場は一日あたり 160台の 911モデルを生産。 幸いなことに今回の事故では 車体組立部門、
またエンジン設置部門へ被害が及んでいないこともあり、短期間での復旧が可能のようです。
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(注: 上記写真は、今回の事故とは無関係です 参考記事 1 2 3 )
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最近ポルシェの塗装は環境を配慮して水溶性ペイントを使用し始めたようで、早期劣化を懸念する
噂を耳にすることがたまにあります。 しかしながら個人的な感想として、実際手で触った
各ポルシェ車のペイントは自動車メーカーの中でもトップ・クラスのペイント技術と質感を施して
いるのではないでしょうか。
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この硬質な車体塗装に、ポリマー・コーティングをかければその後のメインテナンスに手間は
かからず。 少々の汚れは、洗車場のウォーター・ガンでほぼ落とすことが出来ますし、特に
ホィールに付くブレーキ・ダストの洗浄には、抜群の威力を発揮します。
エンジンの性能共々、ポルシェの塗装は化粧いらずの素肌美人かも知れません。
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